機能性表示食品を買って摂取していきたいと考えたとき、機能性表示成分の作用が本当に期待しているものなのかを明らかにしたいと思う人も多いでしょう。機能性表示食品の開発メーカーや販売メーカーは、科学的根拠となる文献について情報を開示していることがよくあります。
機能性表示食品を選ぶときには、文献をきちんと読んだ方が良いのでしょうか。
機能性表示食品の届出では文献情報がほぼ必須
機能性表示食品制度は販売したいと考えているメーカーが消費者庁に届出を行い、受理されたことによって機能性を表示できる仕組みになっています。開発メーカーや販売メーカーでは、届出をするために書類を用意しなければなりません。
申請するときには機能性表示成分を明確にして、その成分がなぜ表示したい内容を満たすのかを示すことが求められます。表示内容の要件として科学的根拠を示すことが要求されており、科学的根拠として最も典型的なのが文献情報です。
科学的に示された情報に確かに信憑性があり、内容としても不備がないことは査読付きの文献で公開されると明確になります。学術界を中心として運営されている科学論文は、科学的根拠を示す実験結果やその考察を公表するメディアとして典型的なもので、機能性表示食品の届出をするときにも参照するのが一般的になっています。
査読がない科学論文や出版されている本なども科学的根拠として用いることが可能で、このような文献から取得した情報を添えることは機能性表示食品の届出をするためにはほぼ必須となっています。そのため、メーカーは機能性表示食品の届出をする時点で機能性成分に関する文献情報をたくさん持っています。
その文献情報を公開して、興味を持った消費者に見てもらえるようにすれば買ってくれる人が増えることが期待できます。その結果、メーカーが文献情報を公開している場合があり、気軽に消費者が文献について知ることができるようになっています。
合わせて読む:機能性表示食品の届出に関する60日のルールとは
文献に基づいた表示内容の確認は済んでいる
機能性表示食品を買うときにメーカーから公表されている文献を読み、詳しい内容を理解してからにするべきかどうかで悩む人もいるでしょう。
表示内容が虚偽の情報だったり、誇張表現になっていて期待外れだったりすると購入は控えるはずです。文献に科学的根拠があるのなら、自分の目で確認して納得してから買いたいと考えるのはもっともなことです。ただ、機能性表示食品の届出において、科学的根拠として挙げられている文献については機能性表示内容の信憑性を示す根拠となっているかどうかが確認されています。
消費者庁では届出を受けて認可をしているわけではありませんが、文献を見て消費者が表示内容をそのまま理解して問題がないかはチェックしています。そのプロセスを経て受理しているので、届出に使われた文献については確認しなくても問題はありません。
興味関心があるなら詳しく見てみて、本当に自分に合っている機能性表示食品なのかを見極めれば良いでしょう。
機能性表示食品の文献を読むのは大変
それでも、機能性表示食品の文献を読んだ方がやはり良いのではないかと思う人もいるかもしれません。消費者庁でも人が確認作業をしているので、ヒューマンエラーがある可能性はゼロとは言い切れないでしょう。また、機能性表示の内容が曖昧でよく理解できず、本当に意味していることは何なのかを知りたいかもしれません。
このような際には文献を読んでみるのが確かに良い方法で、機能性表示成分がどのような作用を持っているか、作用機序がどうなっているか、人やマウスなどが摂取したときにどうなるのかといったことがわかります。ただ、機能性表示食品の根拠となっている参考文献を読むのは一般的な人には簡単ではない点に注意しましょう。
機能性表示食品の文献として、よく参照されているのは科学論文です。科学論文は同じ分野の専門家が読んでわかるように記述するルールになっている場合がほとんどですから、専門知識が十分にない人には理解するのが難しいでしょう。
公開論文は英語で書かれていることが多いのも問題点で、日本語なら少しくらい専門的な内容でも理解できたとしても、英語になるとさらに内容がわかりにくくなります。文献によっては取得するのが個人では難しく、とても高額になってしまうケースも少なくありません。
そのため、機能性表示食品の文献を読むのは大変なケースが多いです。
合わせて読む:機能性表示食品の作用機序について知っておくべきポイント
メーカーは文献の内容を開示している
機能性表示の内容以上に詳しいことを知りたい場合には、文献を自力で手に入れて読もうとするよりもスムーズな方法があります。多くのメーカーでは機能性表示の根拠としている文献の内容をまとめてマーケティングに活用しています。
メーカーのオフィシャルサイトにアクセスしてみると特設ページが用意されていて、文献の内容を詳しく説明していることがよくあります。消費者向けに科学論文などの内容をまとめてわかりやすく説明しているので、専門知識がない人でも機能性表示の内容や根拠についてよく理解できます。
サイト上に情報がない場合でも、パンフレットなどを配っていることがあるのでメーカーに問い合わせてみましょう。
文献を読むときのコツ
メーカーからの情報でも満足できない場合には、科学的根拠が明記されている文献を直接読むしかありません。文献を取得できたという前提で、どのようにして読むと必要な情報が手に入るのかを知っておきましょう。重要なのは自分が機能性表示食品を通してどんなメリットを得たいかを考え、関連するキーワードを検索することです。
多くの文献は電子版で手に入れられるので、検索をすればキーワードを拾って内容を読むことができます。数十ページにも及ぶ専門内容の文献を隅々まで読むのは大変ですが、自分が気になっているキーワードの周辺だけを読めば負担は軽くなります。
機能性表示に使われている言葉を探すと該当する箇所が見つかりやすいので、表示に使われている言葉と自分の興味のあるキーワードを合わせて検索するのが良い方法です。英語の場合にも読む範囲が狭くて済むため、スムーズに読み進められるでしょう。
文献も候補にして機能性の根拠を理解しよう
機能性表示食品は、科学的根拠を示すために文献を参照しているのが一般的です。機能性の表示内容が正しいと考えられる科学的根拠があるかは文献から消費者庁が確認していますが、自分でも確認しておくに越したことはありません。
科学論文などの文献を読むのは大変ですから、まずはメーカーのオフィシャルサイトにある情報を参照しましょう。それでも気になる点がある場合は、文献を読んで確認すると良いでしょう。